答えに戸惑った
どう答えたらいいのか――
けど…――
『…振られました』
なんて嘘を言ってみる
無駄な嘘だとわかっていても 言うしかなかった
「そっか…。悪いこと聞いたな…」
少し 気まずそうな顔になる新一
それをフォローするように 話を持ちかけた綾
『ところで先輩は……――』
「新一」
新一の後ろには 毛先が軽いカールになっている 品のある女性
彼より年上っぽそうだった
「ぁ、ごめん。懐かしい子に会ってな」
新一の後ろにいる人は 綾と目が合ってすぐ ニコッとやわらかい笑みをみせてくれた
――きれー…
女性に目を奪われていると 新一が思わぬことを言ってきた
「へへ、キレイだろ!…こいつ、俺の彼女なんだー」