「教えるの怠いから自習しとけ」
教室の外からりっちゃん先生の声が聞こえる。
今年も相変わらずの面倒くさがりをご披露ですか。
初めて担任になる生徒さんはビックリするだろうなぁ…。
―ガラガラ
あまり音を立てないようにドアを開ける。
当たり前のようにりっちゃん先生と目が合う。
それよりも、クラスの視線が痛いかな。
「誰、あの子?」とか「あの子が藍咲さん?」みたいな感じの視線と
「あの子のせいで星宮くんは…」や「釣り合ってないのに」など、妬みの視線が私に注がれた。
あくまで気にしてませんよオーラを纏わせながらりっちゃん先生に席の場所を聞いて座る。
前も右斜め前も隣も居ないってどういう事?
周りが静かで嬉しいけど…なんで私の席の周りだけ居ないわけ?
後で聞いた話だが、この3つの席は常に空白らしい。
あまり学校に来ていない不良さんだとか。
来ていてもサボってるらしい。
さっきの銀髪さん…紫恩さんは一つ上なのかな?
大人っぽかったし。