大好きです。
でも君は
「遠くに行きたい」
なんて言う。
あれは、僕がそれをしぶしぶ認めた日だった。
嬉しそうに君が笑うから
僕もこれでよかったんだと思った。
でも君は………
浮かれすぎて、車が来ていたのに道路に飛び出して─────
今君は、人口呼吸器をつけている。
心臓はまだ止まっていない。
でも目を開かない。
君と見た、夏の花火を思い出していた。
小さな音を出してから
大きな音と大きな花を咲かせる。
ねぇ……君は、そんな風になんか、ならないよね……?
お願いだから、
花火のように消えてしまわないで。
お願いだから、
目を開けて。
君の笑った顔が見たい。
花火を目に映らせたときのような、
満開の笑顔が見たいよ───……