*アリス〜自分の部屋の中にて〜
「アリス! アリスー?」
朝から、誰かが私を呼んでる・・・
珍しいことだ・・・
「う〜ん・・・むにゃむにゃ・・・」
一体誰だろう・・・
眠いのに。
私は眠そうに目をこすった。
「アリスっ! 起きなさい。学校に行く時間ですよ」
学校・・・
い、嫌だっっ!
あんな学校・・・
もう嫌だよ。
私は・・・
嫌われ者の・・・
アリス・ウィリー・レヴィラヴラ
なんだから・・・
「アリス? 具合が悪いのかね?」
声の主は私のおばあちゃんだった。
おばあちゃんはいつも優しい。
ふわふわとした雰囲気で、
甘い香りがする。
おばあちゃんがいると落ち着くのよね。
「いいえ、おばあちゃん」
今日はわがままを言ってみようかしら・・・
「今日は、ただ学校に行きたくないの」
私がよっぽと疲れた顔をしていたのかわからないけど、おばあちゃんはとても心配そうな顔で私に言った。
「・・・アリス、何かあったのかい?
もし、辛いことがあったのなら・・・
おばあちゃんが・・・ある場所を教えてあげよう」
「ある場所?」
「悩みを聞いてくれる井戸が迷いの森の中にあってね。そこで悩みを言うと、心配ごとが減るっていう、代々伝わるウィリー・レヴィラヴラ家の悩み解消法よ」
私は、不思議な気持ちでおばあちゃんの話を聞いていた
そんな井戸があるなんて、知らなかった
悩みを聞いてくれるんだ・・・
私の悩みを・・・
行ってみようかな・・・