……あれからもう、3年も経つんだよね。
あたしだって一応は成人した大人だ。いつまでも、透也の事を引きずるわけにはいかない。
もっと、成長しなきゃ…………
…透也。
あたし、頑張るよ。時間はかかるかもしれないけど…
透也のいない世界を、少しずつ受け止めて行くよ。
「…あッ! やばい大学!!」
テレビの時刻表示が目に入り、あたしは慌てて支度をする。今日は平日で、大学がある事をすっかり忘れていた。
「……っと、ケータイケータイ」
またあたしは寝ぼけて、ケータイを鞄から出したんだろうか。
慌てすぎて、つんのめりそうになりながら部屋に急ぐ。
「…ケータイー……あった!」
ベッドの枕元に、無事にケータイはあった。
ケータイを掴むと、猛ダッシュで玄関に。
「いってきます!!」
ー…手に握られたケータイには"Hana"と書かれた赤いリボンのテディベア。
そして、滲んだ"Toya"と書かれた青いリボンのテディベアが、しっかりと抱き合っていた。
-end-