CDプレイヤーにCDをセットして、曲番号を合わせる。


そして、再生ボタンを押した。




暫し静寂があたしを包む。








ゆっくり流れ出した柔らかいピアノの音。


この感じ、なんとなく覚えてる。

懐かしい………





やがて唄い出すあゆの声に、あたしの全身が震えて、視界がぼやけて、頬に流れていた。




悲しいからじゃない。


なんだか懐かしくて、隣にいないのが寂しくて、まだこの現実を信じられなくて……





あゆの声を聞きながら、あたしは膝に顔をうずめると、瞼を閉じた。








ー…『明日の朝、プレゼントが置いてあるよ』




遠くなる意識の中で、あの夜の透也の言葉が、わずかに蘇った。