すぐに、男の子を抱えた女の人が1枚のCDを持ってレジに戻ってきた。
あたしは、抱えられている、少しだけ笑った男の子の顔を見て、言葉を失った。
………似てる……
幼いけど、似てる………
笑った顔が………
「これも一緒に」
「………ぁ、はい」
2枚目も、あゆ。このジャケットのアルバム、あたし持ってた気がする。
思い出しながら、バーコードリーダーを当て金額を告げる。
財布を取り出す女の人の腕から逃れた男の子は、また店内を走っていってしまった。女の人は、もう諦めたのか気にしていなかった。
CDを袋に入れながら、2枚目のあゆに収録されている曲を見てみる。
……1つの曲に、あたしは引き寄せられるように目を止めた。
ー…『teddy bear』