ー…3年後。

現在。
2013年、12月24日。



あたしはハタチになり、大学に通いながらアルバイトをしていた。



2010年のあのクリスマスを最後に、サンタクロースは来なくなった。まぁ、もう高校生終わるのに未だに来てくれてた事の方がすごかったんだけどね。


そして、





あの日から、透也が姿を見せる事も1度もなかった。

透也は、もうみんなの記憶には残っていない。透也は"元からいなかった人"とされているみたいだ。



あたしは、今でも鮮明に透也を思い出せるのに───…






今では、繋がらない電話番号さえも消えてしまった。あたしが消したわけじゃないのに。




その代わりに、今でもずっと傍にいるのは大きなテディベア。今日も枕元に、ちゃんといる。





もう3年も経つのに、あたしの中で透也の存在は薄れていくどころか濃くなっていくばかりだった。




…まだ、本当はどこかにいるんじゃないかって。

あたしに意地悪して、びっくりさせようとしてるんじゃないかって。





そんな都合の良い事を、考えてしまう。