「先生っ! うちのクラスに、三田透也っていましたよね!?」
透也が突然姿を消したその日は冬休み前最後の学校で、あたしは朝、担任に必死になって聞いた。
もちろん、透也は学校に来ていない。
「え? 三田、透也…? ……んー…いたかしら? 初めて聞いたわその名前」
「えっ……!?」
あたしは「だって机が…」"あるじゃないですか"と言いかけて、目を見開いた。
そこに、あるはずの透也の机がなかった。
…なに、これ……………
どうなってるの───…?
その時チャイムが鳴って、先生は手をパンパンっと叩いた。
「さぁ皆さん! 体育館に移動しますよ」
ぞろぞろと教室から出ていくクラスメイト。
「…ほら、柊木さんは頑張りすぎよきっと。疲れたのよ。明日から休みだし、ゆっくり疲れをとりなさいね」
先生はあたしの肩をぽんぽんっと叩くと、廊下に出ていった。
…………あたしは、今のこの状況が、全く飲み込めなかった。