アイドルにキュン☆!?

皆が一斉に俺を見たけど、俺は構わずに咲夜に怒った。




まじ、ふざけんな。





そしたら咲夜は




「そんなマジになんなよ、なあ?」




周りの視線が気になるのか、俺にそう言って肩をポンポン叩いた。





そしたら風雅が来て





「お前らどうしたんだよ?」





心配そうに俺にそう言った。





「なんでもねぇよ」




咲夜がぶっきらぼうに風雅に言い放った。





そんな口調でそんなことを言ったら何かがあったってバレバレだ。





こいつは嘘がほんと下手だな。




「なんでもない」




俺も咲夜と同じふうに答えた。





こいつが黙ってるんだったら俺だって黙っててやるよ。




それなのに、風雅は




「ほんとに何があったんだよ」





キモいほど心配して聞いてくる。





























「だから、なんでもねぇって」





俺は思わず風雅に向かってそう言ってしまった。




そしたら風雅は




「お前えぇ!」




そう言って俺の背中に飛んできて、抱きついてきた。





「うわっ!」




俺は風雅が背中に乗ってきたせいで、よろけたがなんとか持ちこたえた。





「ちょっ!」




俺はそう言いながら風雅の顔を見た。



「お前だって知ってんだろ、咲夜に何があったのか」




急に真面目な顔をして、風雅は俺に言った。





もちろん、知っている。




咲夜がなぜこうなってしまったのか、俺はちゃんとこの目で見ていた。





俺は無言で頷くと、風雅は笑顔になり、俺から離れて、咲夜の元へ向かった。






俺は咲夜の後ろ姿を見た。





あいつだって、ホントは信じたかったんだよな。













だけど、だけど、やっぱりマネジャーに中途半端な気持ちで、近づいて欲しくない。





俺だって、マネジャーが好きだ。





だから、だから。






咲夜には譲れない。






ーside明瑠ー





………。





なんでこんなことになっているんだろ?





あたしは皆の静けさに少し緊張しつつ、周りを見渡した。





あたしの隣には窓ガラスに肘をつき、外を見ている咲夜がいる。




そして、後ろの座席はオロオロしている風雅と、むっとしている天空。





そして、いつもどおりの夢斗。





あたしはそれを横目で見てから、また前を見た。




今は運転中で、仕事場に行くところである。





午前中にレッスンがあったのだが、そっからみんなの様子が変だ。





なにかあったのかなぁ?





レッスン行くまでは皆、わぎゃわぎゃしてたのになぁ。





そして、この空気、以上にいづらいと思うのはあたしだけですか?(笑)





そんなこんなで、無言で撮影場所についてしまった。






そして、皆で楽屋に入る。



それぞれ無言で別々で支度をするstillloveのメンバー。





な、なんか怖いんですけどっ!





こんなで、音楽番組の収録大丈夫か!?





あまりの嫌な空気にそんなことを思ってしまう、あたし。