「いえーい!大富豪だああーー!」
咲夜がそう言うと二枚のトランプを机の上に置いて、両手をあげた。
また咲夜の勝ち!?
あたしはまだ数枚残っているトランプとにらめっこしながら思う。
しかもカードがそんな強いのないんですけど!?
「咲夜強すぎー!」
あたしよりカードを持っている風雅が咲夜言った。
「いえーい♪」
そう言って皆にピースをする咲夜。
「俺もあがり」
咲夜がピースしているのをよそに今度は夢斗が上がった。
う、うそーーー!?
本当に手札がないじゃん!?
「何!?お前も上がりなの!?」
びっくりして言う最年長の風雅。
もしかして風雅ゲーム苦手とか??(笑)
そんな風雅をよそに天空は夢斗を見ていた。
ど、どうしたんだろ?
さっきから天空の様子が可笑しいと思うのはあたしだけかな?
うーん。
まぁー、考えても分かんないし、まぁー、いっか♪
そして、残るはあたし、天空、風雅。
絶対に負けられないっ!
と、そこで
「あーがーりっ!」
この三人の中で最初に上がったのは…
「えっ!?天空あがり!?」
天空だった。
うそっ!?
あたしと風雅の対決。
そして…
「あーがーりっ!」
あたしはそう言いながら自分の手にあったトランプを真ん中へと投げた。
やったーー!
風雅には勝てた♪
風雅はそれを見ながら唖然とした様子で
「嘘だろ!?」
そう言ってあたしの顔を見た。
「ホントですぅ♪」
風雅に勝った♪
そんなこんなで大富豪でやっております(笑)。
結構白熱していて、皆真剣。
そして、一時間後。
「あきたー」
と、負けっぱなしの風雅。
「俺もー」
そう言う天空。
「俺以外弱いもんなぁーっ!」
あはははっ、とか言いながら笑う咲夜。
「じゃぁー、デザートだす?」
夢斗がそう言うと、みんな目を光らせてから
「「「食べる!」」」
そう言った。
夢斗はその声を聞くと、リビングへと向かって行った。
あたしもそんな夢斗に続いてリビングへと向かった。
「やっぱり手伝う」
あたしがそう言うと夢斗は
「あー、じゃぁ、最後の仕上げあるから手伝ってくれる?」
そう言ってくれた。
あたしはそんな夢斗の笑顔にドキッと胸が立てた。
なんで、なの?
あたしはチラリと夢斗の顔を見た。
冷蔵庫からデザートを出している夢斗は真剣な無表情で、何かを考えているようにも見える。
何を考えているのかな?
あたしは何故かそんなことを考えてしまった。
待って、なんで夢斗を見るとこんなにドキドキするの?
あたしは夢斗が好きなの?
そうだ、あたしは彼が好きなのだ。
ーside天空ー
最近、マネジャーの様子が可笑しい。
なんか、ボケっとしているというか、とにかくなんかおかしい。
マネジャーが好きだからほんの少しの変化でも気付いてしまうのだ。
なんでなんだろう。
もしかして好きな人がいるとか?
そんなわけないよな?
違うよなあ?