そして、見事コンサートも無事成功する事ができた。
ふう。
あたしがそう言ってため息をついたとき、
「あのー、マネジャー??」
ひょっこりと天空が出てきた。
天空は何だかそわそわしている。
どうしたんたんだろ?
「どうしたの?そんなソワソワして?」
あたしがそう言う天空は何か言おうとしたが、
「いや、やっぱりいい!」
そう言ってどこかへ行ってしまった。
んん??
何だったんだ??
あたしがそんな天空の後ろ姿を見ていると、
ポン
あたしの肩に誰かの手が置かれた。
手を置いた人の方を見てみると、そこにいたのは咲夜だった。
「うわっ!咲夜!」
あたしがそう言うと咲夜はニカッと笑って
「まだ気づいてないのかよ~」
そう言ってあたしの方をニヤニヤしながら見てきた。
気づいてない?
何それ??
あたしの頭の中ははてなマークでいっぱいになった。
言っている意味が分からない。
「どういう意味よ、それ」
あたしがそう言うと咲夜ははぁっとため息をつき、
「本当に気づいてないのか」
そう言った。
「天空もたいへんだなぁーっ」
そう言うと意味深の笑顔をあたしに向けて、どこかへ行ってしまった。
本当になんだろう?
なぜ、あそこで天空が出てきた??
うーん。
あたしは頭をフル回転させて考えたが頭の中ははてなマークでいっぱいだ。
まぢで意味わからんよ?
そう、こうしてコンサートは大成功に終わり、膜を閉じたのだ。
ーside夢斗ー
「あ、はい。分かりました」
俺はそう言って電話を耳に当てて、メモを取っているマネジャーを見ていた。
彼女はそう言うとメモ帳をしまい、電話を切った。
すると、床にあった物に気づかずに
「あいたっ!」
こけそうになる。
ププッ。
俺はそんなマネジャーを心の中とは裏腹に無表情で見つめた。
「何やってんの?」
そう言うとマネジャーは見られたって顔をしてから、
「何もし、してないよ!」
焦り出す(笑)。
本当に面白いやつ。
「そこに何もないのによくコケれるよね」
俺がそういうと、マネジャーは
「べ、別にコケてないし?」
そう言う。
いやいや、今コケていたでしょうが(笑)
ツッコミせずには居られない。
俺は元々、人と関わるのが苦手だった。
だから、小学生の時は人と適当に距離をとり、自分の世界を作っていた。
しかし、そんなある日。
「夢斗ーっ!見て!」
そう言って4つ上の姉が俺に雑誌を見せてきたのだ。
そこにいたのはぶすっとしている自分。
な、ナニコレ。
一番最初に出たきたのはこの言葉。
姉は得意そうに俺の顔をみてきた。
いやいや、おかし気だろ(笑)。
「これ、何?」
俺が冷静にそう言うと姉は、
「んー?夢斗だよ♪あたし応募したのぉ〜♪」
いやいや、応募したのぉ〜♪って簡単に言うけど何やってんだよ!?
そして、次の姉の言葉で理解した。
「ここの事務所ね、むっくんの所属している所なんだぁ♪」
姉には当時、ハマっているアイドルグループがいた。
その人に会える確率を高くするために俺を応募させたんだと。
笑える話だよなぁ。
もし姉が応募していなかったら、今ここに居ないだろう。
そう思うと姉に感謝だよな。