アイドルにキュン☆!?

「俺はお前が…」





“好きだ”





そう言おうとしたのに行ってしまった。






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そして、あの日以来だ。





彼女と会ったのは。







「はぁ」




やっぱり、彼女と逢うのはまだ辛いものがある。




と、その時、




「咲夜みーーけっ!」




後ろから元気な声が聞こえてきたから振り返るとそこにいたのは、マネジャーだった。




マネジャーは俺の近くへ来て、隣に座った。





「何?」




俺は空を眺めているマネジャーにそう言うと、





「???別に?空、綺麗だね」







マネジャーは上を見ながらそう言った。




俺も空を見上げる。




ほんと、めっちゃ綺麗だな。




「うん。そうだな」




そう伝えるとマネジャーは俺の方を向き直って、





「いつまで逃げているの?」




そう言った。




はぁ?




俺が逃げてる?




「なんのことだよ」




俺がそう告げると、




「とぼけるの?好きなら、思ってればいいじゃん。気持ち、伝えればいいじゃん。好きって言えばいいじゃん」




こいつ




「まさか…」




“知ってるのか?”




俺がそう言う前に、マネジャーは






「ごめん、風雅から聞いたんだ」




申し訳なさそうにそう言った。





だよな、風雅はお節介だからきっと俺を心配して言ったんだろう。





「別にいいよ」




実際に風雅がマネジャーに話してくれたおかげでなんかスッキリしたし。




「じゃぁー、戻るか!」




俺はそう言って立ち上がった。





「えっ、もう戻るの?」





不思議そうにそう言った。




なんか、こいつを好きになった天空の気持ちがわかる気がするなー(笑)。





「てか、ラジオの途中じゃん?」




俺はそう言って立ち上がり、ラジオをしている部屋に向かう。




そして、俺はその前にプロデューサーの部屋に入った。





「あのー、すみません」




俺がそう言って入るとプロデューサーはびっくりしていた。




「もう、始まってるよ!?どうしたの?!」




「すみません。あの歌を変えたいんですけどー」





俺のお気に入りのあの曲。





俺はお気に入りの曲を言って天空と里菜のいる部屋に戻った。






「そういう時もありますよねー」





「ありますねー(笑)」




天空と里菜はそう言ってくすくす笑っていた。




俺はそれを見ながらゆっくりと何事も無かったかのように席についた。





そして、里菜はそれを見計らって、




「じゃぁー、次の曲にいきましょうっ!咲夜さん、曲紹介お願いしますっ!」





テンションをあげてそう言った。




「はいっ、えーとっ、俺らの初アルバムから、“笑顔で君を見送るよ”です。では!どうぞっ!」





俺はそう言ってマイクの電源を切った。







俺の隣にいる天空は目を丸くさせながら俺を見ていた。




「えっ?曲ってたしか、最近出した曲って言わなかったけ?」




すごくテンパっている天空。





「ん、変えてもらった。この曲に」




俺はそう言いながら里菜を見た。




そう、この今流している曲は里菜への曲だ。





曲の歌詞は




『大好きだった君を僕は


引き止める事が出来なかった。



大好きだった君を僕は



手を離してしまった。



どれだけ悔やんだだろう?



どれだけ泣いただろう?




けど、今は君の幸せを願っているよ。





大好きだった君を



笑顔で見送ろう』







「お前、この曲」




天空が俺に向かって言った。




そう、この曲は、里菜に振られた曲でもあり、泣いた曲でもある。




「俺、もううじうじしてるのは、やめる」




俺は天空にそう言ってから里菜に向き直った。






「俺、お前が好きだった。大好きだった。だけど、幸せになれよ」





俺がそう言うと




「ありがとう。あたしも好きだった。良かった、咲夜と話ができて」





そう言って笑ってくれた。





「俺も嬉しかった」




良かった。




これも、全部マネジャーのおかげだ。




俺はこの時、マネジャーにすごく、感謝したのだ。