ーside明瑠ー
………。
なんでこんなことになっているんだろ?
あたしは皆の静けさに少し緊張しつつ、周りを見渡した。
あたしの隣には窓ガラスに肘をつき、外を見ている咲夜がいる。
そして、後ろの座席はオロオロしている風雅と、むっとしている天空。
そして、いつもどおりの夢斗。
あたしはそれを横目で見てから、また前を見た。
今は運転中で、仕事場に行くところである。
午前中にレッスンがあったのだが、そっからみんなの様子が変だ。
なにかあったのかなぁ?
レッスン行くまでは皆、わぎゃわぎゃしてたのになぁ。
そして、この空気、以上にいづらいと思うのはあたしだけですか?(笑)
そんなこんなで、無言で撮影場所についてしまった。
そして、皆で楽屋に入る。
それぞれ無言で別々で支度をするstillloveのメンバー。
な、なんか怖いんですけどっ!
こんなで、音楽番組の収録大丈夫か!?
あまりの嫌な空気にそんなことを思ってしまう、あたし。
不安のまま、番組収録が始まった。
だ、大丈夫かな?
そんなことを思ったが、不安はすぐに吹っ飛んでしまった。
カメラが回っている間は楽しく、談笑しているstillloveのメンバー。
す、すごい。
みんな楽しそうだ。
プロってすげなぁ。
改めてそんなことを思ってしまった。
そして、曲紹介へ。
皆、仲良く紹介をしているが、
カメラが止まると、
さっきの仲良しさがなくなり、皆無言に。
まぁ、風雅と夢斗は喋っているけど、天空と咲夜は無表情。
なんか、このふたり見てると笑えてくるかも(笑)(笑)。
そうして、歌が始まった。
この前まで、レッスンスタジオで練習していた曲だ。
皆楽しそうに笑っている。
周りのファンの皆もキャーキャー言って、メンバーを見ている。
こいつら、本当にアイドルなんだ。
今更ながら、そんな事を思ってしまった。
楽しそうに手を振る天空。
いつも無表情だけど、爽やかな笑いをする夢斗。
リーダーで先頭をきって歌う風雅。
一番人気でやっぱりチャライ咲夜。
…………。
ファンの気持ちが分かるかもしれない。
やっぱりstillloveは輝いている。
人気のある気持ちがわかる気がするなぁ。
こうして、収録は幕を閉じたのだ。
ーside 明瑠ー
あの収録の日から数日が経っていた。
相変わらず咲夜と天空は口を聞かないままだった。
そして、今日は
「咲夜と天空は深夜のラジオ番組に出てもらうからね」
あたしは咲夜と天空にそう告げた。
はい、分かっています。
今この二人を二人で仕事をしてはいけないと言う事は分かっています。
けど、このままじゃまずいでしょ?
だから、深夜のラジオ番組は二人で出てもらう事にしたんだよね♪
我ながらナイスアイデア!(笑)
あたしがそう思っていると風雅が手招きして来た。
なんだろ?
あたしはそう思いながら風雅の近くへ駆け寄った。
すると、あたしに耳を近づけてきて
「あの二人でラジオ大丈夫なの?」
小声でそう言った。