愁也は思い出したように「あぁ」と言うと、儀式的に袋を受け取った。


早速中を見ている。



少し、緊張した。




すると愁也は、嬉しそうに笑いながら、顔を上げた。



「うまそう。
毎年ありがとな。」



わたしは瞬時に嬉しくなって、

思わず笑顔になっていた。



「ううんっ……」



そして緊張も解け、2人で並んで学校に向かう。



「幼なじみ、だもんな……」


途中、愁也がボソッと呟いた言葉は、

わたしの耳に届かなかった。



「ん、何?」


「いや、何でもねぇ。」


「そう?」