わたしはグイッと、袋を突き出した。


もう小1から中1、今回で8回目のこれは、まだ緊張するものだった。




わたしは少し顔を赤くしながら、呟いた。



「今日、バレンタインだから……
もちろん、友チョコと一緒に作ったやつだからね!?」



ああ、なんで素直に言葉が言えないんだろう。


小学校低学年のときのピュアさはどこいった。



わたしは内心、ため息をついた。


愁也にあげる分は、ちゃんと別に作ったのに。