昨日のようなメイクじゃない。今日のマユさんは、お嬢様風の清楚な雰囲気だ。
だけど、元々が派手目の顔だし、昨日の今日であんな事があったばかりだし、私達がマユさんを見間違う筈がないよ。
そっと隣を見ると、蓮も言葉を無くしたようだった。
何でマユさんが瀬名さんの横にいるの?
「来たか蓮。菜月ちゃんも久し振り。そこに座って?」
瀬名さんに促されて、私と蓮はカウンターの隅に黙って座った。
「前に菜月ちゃんに言ったけど、これが娘の真優。菜月ちゃんと同じ21才ね。最近はここでバイトをさせてるんだよ」
………は!?……マユさんが瀬名さんの娘!?
すっごく嫌な予感がする。
「そりゃどうも。それより瀬名さん、頼んでたもの、貰えますか?俺達この後用事があるんで」
蓮もこの場から逃げたいようで、瀬名さんにはそう言った。
この場から逃げたいんじゃなくて、多分逃げたいのは真優さんからだろう。
「まあそう言わずに。菜月ちゃんも来た事だし」
「そうだよ。あたし、蓮の隣に住んでるのにつれないこと言わないでよー。お隣さん同士じゃん?」
ここでも空気を読まないかのように真優さんが口を挟んできた。
……なんで真優さんが蓮のこと、呼び捨てにしてるの?
「えっ!?真優と蓮は同じマンションに住んでたのか!?」
瀬名さんが言った言葉にも、一々反応してしまうから自分でも嫌になってくる。
「昨日は蓮の部屋に泊めて貰ったの。蓮ってカッコいいよね、パパ」
「それはどういう事だ?」
「菜月と3人で飲んでただけですよ」
素っ気なく蓮は誤魔化したけど。
……もう我慢も限界。こんな場所居たくもないし、真優さんの顔を見たくもない。
私は黙って席を立ち上がる。
隣でもガタン、と椅子を動かす音がした。
蓮も席を立って、瀬名さんに「すみませんが急用を思い出したんで……」と断っていた。
瀬名さんは何が何だか分からないような顔をしてたけど、真優さんは私を見てニタリと笑う。
背筋にゾクリと悪寒が走る。
他人を見て気持ち悪いと思ったのは初めてだった―――。
だけど、元々が派手目の顔だし、昨日の今日であんな事があったばかりだし、私達がマユさんを見間違う筈がないよ。
そっと隣を見ると、蓮も言葉を無くしたようだった。
何でマユさんが瀬名さんの横にいるの?
「来たか蓮。菜月ちゃんも久し振り。そこに座って?」
瀬名さんに促されて、私と蓮はカウンターの隅に黙って座った。
「前に菜月ちゃんに言ったけど、これが娘の真優。菜月ちゃんと同じ21才ね。最近はここでバイトをさせてるんだよ」
………は!?……マユさんが瀬名さんの娘!?
すっごく嫌な予感がする。
「そりゃどうも。それより瀬名さん、頼んでたもの、貰えますか?俺達この後用事があるんで」
蓮もこの場から逃げたいようで、瀬名さんにはそう言った。
この場から逃げたいんじゃなくて、多分逃げたいのは真優さんからだろう。
「まあそう言わずに。菜月ちゃんも来た事だし」
「そうだよ。あたし、蓮の隣に住んでるのにつれないこと言わないでよー。お隣さん同士じゃん?」
ここでも空気を読まないかのように真優さんが口を挟んできた。
……なんで真優さんが蓮のこと、呼び捨てにしてるの?
「えっ!?真優と蓮は同じマンションに住んでたのか!?」
瀬名さんが言った言葉にも、一々反応してしまうから自分でも嫌になってくる。
「昨日は蓮の部屋に泊めて貰ったの。蓮ってカッコいいよね、パパ」
「それはどういう事だ?」
「菜月と3人で飲んでただけですよ」
素っ気なく蓮は誤魔化したけど。
……もう我慢も限界。こんな場所居たくもないし、真優さんの顔を見たくもない。
私は黙って席を立ち上がる。
隣でもガタン、と椅子を動かす音がした。
蓮も席を立って、瀬名さんに「すみませんが急用を思い出したんで……」と断っていた。
瀬名さんは何が何だか分からないような顔をしてたけど、真優さんは私を見てニタリと笑う。
背筋にゾクリと悪寒が走る。
他人を見て気持ち悪いと思ったのは初めてだった―――。