それから絶叫系やらダンス系やらあらゆるアトラクションで遊びまくった。


ここは屋内型アミューズメントだから、さすがに屋外型のテーマパークのような実体験を求めるのは不可能で、どれもゲーム感覚のバーチャルな映像と効果で臨場感を出している。


これはこれで、たかが疑似体験と言うわりには、かなり楽しめるしリアリティーもあるんだけど……。


でも本当のスリルや緊張感を求めるなら、やっぱり屋外型のテーマパークで遊んだ方が楽しそうだ。

菜月さえ良ければ、今度はいつか遊園地とか水族館デートなんかも良いかもな。ありきたりでベタだけど。




とっぷりと陽も沈んだ頃、そろそろ最後に一つだけ、何かゲームをやって帰ろうかと菜月を促した。


菜月が最後に選んだのは、占いの館。


二人の相性とか、未来とかを占いたいらしい。


俺は占いなんざ正直半信半疑だったが、菜月にすがるような目を向けられれば嫌と言えるはずもなく、やむを得ずそのコーナーに立ち寄った。

プリクラのような幕が掛かった四畳ほどの小部屋の中には、カウンターの上にタッチパネルが二台設置してある。


これに生年月日やら職種、趣味などを各々に入力する。

それから手のひらをスキャンし、顔写真まで撮られてしまった。



おいおい、こんなんで相性なんか分かんのかよ。



全部の入力が終わって5分ぐらいは待たされただろうか。



カウンターに備え付けられた、如何にも妖しい雰囲気に装飾されたプリンターから診断結果が書かれた紙が、一枚ひらりと吐き出された。


「なんて書いてあったよ?」


ひったくるようにその紙を奪った菜月の肩越しにそれを覗いてみた。


「……なんか、恥ずかしいね。これ」


菜月から紙を受け取りよく読んでみるに曰く。





*********************

【現在】

・守護星の巡り、手相、人相、為人共に良い相性。

・女性は己が感情を抑えることなく、また相手を思い遣れば円満。

・但し男性は体の相性のみに拘らず、パートナーとしての相手を尊重すれば更に安泰。


【先行き】

・暗雲の兆しあり。惑わされるべからず。互いに信じて堅し。


【二人の相性】

★★★★★★★★★☆→92%


*********************


「……92%って、高い…よね?私達、相性が良いってことなのかな、これ?」

「すげぇ。相性抜群じゃん」


菜月が嬉しそうに俺を見上げて、目を輝かせている。



占いとかまるで信じてないけど、こんな結果が出るんなら悪い気はしねぇな。



それより俺が気になんのは[体の相性]の一文だ。


体の相性……つまり、セックスの相性…って事だよな?


意識してまだ菜月には手を出さないようにしてきたけど、こんなの読んだらもうダメだろ。

頭ん中がそれで一杯になっちまった。



どんな声で鳴くのか、菜月の体を可愛がりたくて仕方ない。


あの診断結果のせいで、この後どうやって菜月を誘うかに考えを巡らせた。