手を差し伸べてくれているルイに対して恵梨香はキョトンとその手を見ていた。



ルイもキラキラスマイルのままその恵梨香のキョトンとした顔を見て頭に?を浮かべていた。



先に口を開いたのは恵梨香だった。



「あの…その手…何?」



恵梨香はデートというものをしたことがないので、手を差し伸べられても、その意味が分からなかった。



そんな恵梨香を見たルイは、心の中で泣いた。ルイも恵梨香みたいな純情な子を見たことがないので、最初から何も分かっていないのだと確信した。これがデートになるということも…



そんな恵梨香に優しく教えた。



「コレはね?手を繋ごうっていう意味の手だよ☆」



その意味を理解した恵梨香はすかさず答えた。



「イヤ。」



恵梨香はそうハッキリと拒否ってしまった。



今、ルイの心の中に針が一本グサッと刺さったことだろう。



しかし、ここで諦めるわけにもいかないルイはなんとか説得を試みる。



「あのね手を繋ぐことはね、二人が楽しくあるために手を繋いで丁度良い距離間を保つ為の大事なことなんだよ?手を繋がなかったらなんの意味もなさないよ?楽しめなくなっちゃうよ?」



ルイは手を繋ぎたい為に、適当な言葉をそれらしく恵梨香に教え説得させる。




恵梨香はルイの言葉に納得してしまったのか、ルイと手を繋ぐことを決めた。




こうして二人は歩き出したのだった。