「あのなぁ、頭が悪い夏木莉桜さんに教えてあげますが」


ようやく青条皐雅が顔を上げた


「どこに、自分が勤めるデパートの社長の顔と名前を知らない社員がいるんだ!」


―――うぐっ


「…っだ、だから謝ったでしょ!」


「謝ったからって済む話じゃない。お前、僕の朝の出勤には顔を出してるのか?」


「…あぁ。それはまぁ、ちょっと」


「ちょっと!?それでもお前はうちの社員か!」


「毎朝毎朝、顔を出す必要なんてあるの!?」


「あるね。それも社員の仕事だろ」


「そんな仕事見たことないし、したくもない!」