あくまで視線は下のまま、青条皐雅はそう言った


「聞きたいこと?」


「君は僕のことを知っていたか?」


―――う゛っ


いきなり鋭い質問だな


「……えっとそれは…」


「どうなんだ?」


答えなきゃいけない状況に追い込まれたあたし


どうする?どうする……


ええい、仕方ない


「…知りませんでした。すいません」


あたしは頭を下げる道を選んだ


仕方ないじゃん!



夢にも思わなかったんだから



まさか変態男だと思っていた人が自分の勤めるデパートの社長だったなんて!