一つ一つ机と椅子の下と、教室の端っこを見て回ったけど、結局それらしきものはなかった。 どこでなくしたのやら。 「無いな。ゴミと一緒になったとかっていう可能性もないことはないしな」 「あ!!」 「「ん?」」 急に琴海が何かを思い出した様子で叫んだ。 俺も恍も何らわかってないこの状況で「あの音!」と独り言を続ける。 「・・・琴海?」 「幸哉、ペンキの缶って倉庫に持って行ったの?」 「あぁ、俺と恍で。それが?」