和と洋が、この店の中に混在していた。 普通ならあり得ないことだ。 「失礼します」 靴を脱いで上がれば、やはりそこは日本のれっきとした和室そのもの。 「少々お待ちください」 ところが、ふすまから顔を覗かせれば、そこは洋風で、どこか外国風な店内。 店員がどこかへ行ってしまった背中を見ながら「変なところだ」と一人呟いた。