今考えればすごくどうでもいい遊びでも、あの時は本当に楽しかった。 『悠里くん、帰ろうか』 平田さんが迎えに来てくれた時、一瞬、ときみが悲しそうな目をしたんだ。 俺はそんなときみを見て『まだ遊びたい』と言いたかった。 でもすでに俺の右手は平田さんに握られていて。 『また学校でな!』 ときみが俺に手を振る。 でも俺は振らなかった。 本当は俺だって遊びたかった。 あの数時間で色んな楽しみを知った。