誰もいないその部屋に、俺はただ一人呟くんだ。 返事がないことに、もう違和感はなくなってきていた。 ちゃんとわかったから。 琴海がいないって。 誰もいないって。 受け入れたんだ。 この現状を。 悠里を捨てたその日、俺の頭の中に「俺には琴海しかいなかった」と言い聞かせた。 それ以外に大事なものはなかったんだって。 だから今はこうして・・・普通にできてるんだ。