しかも前と同じ・・・ちょっと待てよ! 「気を確かに」 その言葉にパッと顔を上げた。 「どうかされました?」 さっきの言葉には聞き覚えがある。 ―――琴海が、出産をしたとき。 でも今いるのはそもそもあの病院でもないし産婦人科でもなく、もちろんあの看護師でもない。 それなのになぜ、あの時と言葉が同じなんだ。 「どこか痛い?」 隣ではわが子が眉頭を寄せて心配そうに俺の顔を覗きこんでいた。