「パパ!」 「・・・ゆ、う」 「ママは?」 「・・・・・・」 「ねぇ、ママは?」 「・・・あぁ」 バサッ――― 悠里が俺の袖をグイグイ引っ張るものだから、つい突き放してしまった。 当の息子はきょとんとした顔で、でもひたすら琴海を探し続ける。 その間、俺の中でいろんな記憶が飛び交っていた・・・。 それは何とも言えない、暗くて黒い塊。