看護師に連れられて、あのドアの前に向かった。
「今集中治療で、中の状態は詳しくはお話しできないのですが・・・」
「・・・わかってます」
「え?」
看護師は一瞬顔を歪めたけどすぐに「座ってお待ちください」と優しく笑ってくれた。
きっとこの看護師は俺のことを分かっちゃいない。
分かったつもりでいるだけだ。
きっと俺のさっきの言葉を不安でいっぱいなんだなんて思ってるはず。
でも、俺が言った「わかってる」の意味はそんなことじゃない。
不安も何も、俺は・・・・・・知ってるんだ。
「・・・琴海」
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