どんな味なんだろうか。 ・・・琴海の作ってくれていたあのニクジャガ、のような味なのだろうか。 「・・・琴海」 カタッ――― その音は、店員がふすまを閉めた音だった。 別に、一言くらい言って出て行ってもいいじゃないか。 と思う反面、おそらくあの店員は分かっているのだろうと思った。