コツッ、コツッ、カタッ――― 俺はそこで立ち止まる。 「・・・ここは」 目の前には、少し古ぼけた、でもどこかそそられる店が一軒。 こんな山奥に、ただその一軒だけが静かに立っていた。 入り口には“OPEN"の文字。 中の様子は見えないが、どうやら店自体は開いているらしい。