そっと琴海を抱きしめる。



でも、その力は強くて、琴海が壊れてしまいそうだった。


それでも、分かってほしくて、つい力が入ってしまう。




腕の中で泣いている琴海を、心の底から愛おしく思ってる俺の気持ち。




琴海が俺のことを想ってくれてる以上に、俺は琴海が好きなんだって気持ち。






それを、俺の全身で、琴海に伝えたかった。





「ゆきやぁっ」




「・・・琴海」





泣いていた琴海も、いつの間にか俺の背中に腕を回していた。