大人になっても、俺は・・・俺なんだ。 「幸哉と付き合うんじゃなかった!」 「っ・・・」 この後、琴海は俺に背を向けて走り去っていく。 その時俺は、俯いてただ立ちすくんでただけだった、はず。 案の定琴海が、屋上の出口へ向かっていく。 俺の足は・・・動かない。 このまま、これで・・・。 「幸哉」 それは唐突で、その声に俺は勢いよく顔を上げた。