「あら?」 「放せよ、姉貴!」 グッと力を入れて姉貴から逃れて、琴海が走って行った方向へダッシュした。 さっき思い出した記憶。 それは、俺と姉貴が、いや、姉貴が一方的に俺を抱きしめている姿を琴海が見てしまったシーン。 その後は・・・大喧嘩だったんだよ。 急いで、走って走って走った。 琴海がどこへ向かったのか。 それは、俺の記憶を信じて屋上へ向かっていた。 喧嘩なんて、もうごめんなんだよ・・・。