「先に回ってようぜ!」



恍に連れられてとりあえず、教室を後にした。




恍は「腹が減った」だの「喉が渇いた」だの「眠い」だの、好きかって言いながら俺の隣をうるさく歩く。


でも、俺は周りをずっと見ていて、琴海の姿を早く見つけたかった。




トイレにしても、そろそろ会えるはずだろう。




でも、人でごった返した廊下で琴海の姿は見当たらなかった。





「琴海・・・」



本当にどこに行ったんだ・・・。




「幸哉!」


そのとき、俺を呼ぶ声が背後から聞こえてきた。