「幸哉!」 「ん?」 隣でせかせかと箱の中身を入れ替えている恍が、俺の肩を小突き顎を小さくしゃくった。 「あそこの、取って」 あそこの、と顎がおっしゃるのは教室の隅にある箱らしい。 次の品物は何なんだ。 その箱に近づき、そっと開けてみる。 「・・・なっ!」 ガンッ――― 「クククッ・・・」 俺の背中越しで誰かが笑っていた。