「―――箱の中身は~っ」 「「なんだろな!」」 そんな掛け声が響き渡るのは、我がクラス。 文化祭が始まって、数時間。 ずっとこの調子で、アリの大群のように人が押し寄せてきている。 俺たちは、ひたすら「箱の中身は~っ」と言い続けている。 お客さんも、それに乗じて「なんだろな」「なんじゃろな」と楽しんでくれているらしい。 ちなみに、俺は午前が係り。 午後からは琴海と、おまけに恍も引きつれてクラスを周る予定。