もっと何かきっかけがあって、そこでハッと思い出すならわかる。 でも、よくよく考えてみると、すごく急なような気がする。 さっきの言葉も、自然とポロリと口からこぼれた感じだった。 例えるなら、俺の記憶がこの空間のどこかで彷徨っていて、それが静かに俺の中に流れ込んできて・・・。 あぁ、夢だから何でもアリなんだ――― 「うっ・・・」 琴海と手を繋いで帰る道が、急に白く光った。 その光のせいで、俺は咄嗟に目をつむった。