―――そのとき、ふとある光景が頭の中に浮かんできた。 それは、俺と琴海が一緒に学校に登校して・・・あ、そうだ。 確か、髪留めは見つかった。 明日学校に行けば、琴海と一緒に作業していた女子が持って来てくれたんだっけ。 そうだ、そうだった。 この上なく幸せそうな顔で笑う琴海。 ・・・思い出した。 でも、何の前触れもなく思い出せたのは、なぜだろうか。