美樹「ふーん。 良かったね♪」
翔「は?」
…え?
良かった? 何、言ってんだ?
もしかして、犯されて、殴られて、良かったって言ってんのかっ!!
美樹「陣や雷炎に出逢えて良かったね! こんないい族と出会えて幸せじゃん!」
……美樹と俺の考えは全然違った。
だって、今の流れだったら、絶対俺の考えが普通だろ?
なのに、出逢えて良かったって…。
翔「…ああ。 美樹…」
美樹「ん?」
変わってる……
…てか、
翔「…他には、何も思わなかった?」
雷炎のみんな以外、これを知ってるのは親戚の人たち。
そいつらは全員、「辛かったね」「頑張ったね」って言ってきた。
俺のこと何も知らないくせに、何言ってんだって話だよ。
美樹は一言もその言葉を出さなかった。
でも、本当は?
心の中では…?
美樹は何を考えてるのか、無言で俺を見てくる。
何を考えてる……?
美樹「………もしかして、可哀想だの、辛かったねだの、言われると思った?」
少し考えて、口を開いてでた言葉。
俺は首を縦に動かし、頷いた。