晃「ああ? このアマ! 俺を呼び捨てったぁ、いい度胸してんじゃねぇか!!」


あれ?


呼び捨てしただけでキレた?


何こいつ、バカ丸出しじゃん。


美樹「何? 呼び捨てしただけで、そこまでキレること? 晃って心狭いんだね」


晃「んだと!?」


美樹「だって、陣だってOKしたのに、晃ダメとか…。 あり得ない」


あたしは、フッと吹き出した。


晃「…お前、調子のんなよ!」


晃は、あたしの胸ぐらをつかんで持ち上げた。


周りのみんなはあたしの態度に驚いているのか、口をあけてポカンとしている。


晃「いいか! ここに置くのは、陣がお前を気に入ったからだ。 全員が認めた訳じゃねぇ!」


美樹「あたしはものじゃないし、認めてくれてるなんて思ってない。 …それと、首が痛い。 離してよ」


こんなふうに、あたしに突っかかってくる連中、ザラじゃなかったから、あたしは冷静に対処できる。


晃「…お前、この状況。 分かってんのか?」


美樹「分かってるよ。 だから、あんたに言ってんじゃん。 陣や、他の人に言ってあんた、手ぇ離すの?」


晃「離さねぇよ。 俺はお前にキレてんだからな」


美樹「でしょ? だから、晃に離してって言ってんじゃん」


晃「嫌だね。 なんで、お前のいうこと聞かなきゃいけねぇんだよ」


こいつ、めんどくせぇ。 


…てか、いい加減にしてよ。


ああ…、なんで喧嘩しちゃだめなんだよ。


こんなの一発殴っておしまいじゃんか!