“あの時”


あたしにとって最悪の出来事……


謝っても謝っても、謝りたりない罪を犯した。


どうしても消せない罪を……


美樹「…あたしが悪いって分かってるのに、手の震えが止まらなかった」


自分の目が黒く、深い闇に染まっていくのにあたしは気づかない。


美樹「言われて当然の言葉なのに、否定したくてどうしようもない気持ちになってしまう」


どんどん深く沈んでいく。


美樹「あたしがわる…「お前は悪くない」」


けんちゃんがあたしの声に自分の声を重ねてきた。


堅「お前は悪くない」


美樹「…けんちゃん。 あたしが悪いの…あたしの不注意が招いたことなんだ…」


堅「お前は悪くない!!」


けんちゃんが怒鳴った。


その声は怒り、悲しみがこもっていた。