初めて会った時の彼は
どこか寂しそうな瞳をしていた。


「新入生?ちょっとサークル覗いて行かない?」


そう言って、一人の先輩にサークル勧誘をされた。


それが明。

たまたま入学式に隣の席に座っていた麻美と一緒で、あたしたち二人は一緒にサークル見学をすることになった。


麻美は明のこと、「優しくていい先輩だね」って言ってたけど、あたしにはどうしても、それが嘘の笑顔に見えた。

それが逆に気になって、あたしは半分明が理由で、そのサークルに入ることになった。


誰にでも優しい明先輩。
いつも笑顔で明るくて、みんなの人気者だった。


だけどたまに見える影の顔。

女の子にもよくモテるのに、誰の告白も受けてない。


あたしはだんだんと、ほかの意味で明先輩が気になり始めていた。