「照らしてあげることはできないけど……
 たぶん、共有してあげることはできる気がする……。
 あたしと城崎さん、どことなく似ている気がするから……」


暗い過去が似ているんじゃない。


もっと根本的な、価値観や性格。

深海コーナーが好きなところ……。


「俺は……誰かに照らしてもらいたかったわけじゃない。
 一緒に生きる意味を教えてもらいたかっただけなんだ」


そう言うと、城崎さんはあたしを見た。


吸い込まれそうな瞳。
逸らすことを許されない瞳。



「お前が……
 明の彼女じゃなければ……」



その言葉が、何を意味するのか、あたしは分かってしまった。