どれくらいの時間、ここに居座り続けたんだろう。

誰も何も言わないから、ついつい居続けちゃう。
きっと一人で来たら、一日中この場にいるだろう。


「ね、明」


そう呼びかけても、反応がない。

あれ?

辺りを見渡しても、明らしき人物が見えない。

いくら暗闇に目が慣れてきたといっても、こう暗くては遠くまで人を認識できない。


あたしは端から順に、明を探していった。



トンッ…

「あ、すみませ……」
「いや」
「あ……」


誰かにぶつかってしまったと思えば、
相手は城崎さんだった。