「いちいちそんな紹介するな。行くぞ」
「あ、もうっ……。
 バイバイッ」


さっさと先を歩く城崎さん。
彼女の香織さんは、あたしに小さく手を振ると、パタパタと城崎さんの後ろについて行った。



香織さんがぴょこぴょこ跳ねながら、城崎さんの腕にしがみつく。
そしてそんな香織さんの頭を、グイと引き寄せた。


「……」


遠くなっていく二人。

寄り添いながら歩いている。



「………っ…」



気が付くと、あたしの頬に一筋の涙がつたっていた。