「香織!」


城崎さんも、彼女のことが分かったみたいで声をあげた。


「どうしてここに?!」
「ふふっ、驚かせようと思って来ちゃった」


城崎さんの両手をとって、嬉しそうに話す彼女。


どんなに鈍くてもわかる。

彼女が一体、誰なのか……。


「お店の子?」


彼女が、あたしをちらりと見た。

その瞬間、なぜか心臓が飛び跳ねる。


「ああ。バイトの子だ」
「そうなんだ!あ、えっと裕翔がいつもお世話になってます!
 裕翔の彼女の愛内香織(アイウチ カオリ)です」


と、かわいらしく微笑む彼女。

同性のあたしから見ても、可愛いと思った。