「おつ…かれさまです……」

「ああ。おつかれ」


なんとも言えない空気が流れた。


ずっと1週間、こんなふうに二人になることは避けていたのに、神様は意地悪だ。


「こんな遅くまで残ってたのか?」


あたしの気持ちとは裏腹に、城崎さんは何も気にしてないような口ぶりで話しかけてきた。


「あ、えっと……一度駅に向かったんですけど、携帯を店に忘れちゃって……。今取りに戻ってきたんです」
「ふっ…バカだな」


そう言って、城崎さんは笑った。


「……」


あたしは、その笑みを見て、なんだか泣きそうになった。