「遅くなっちゃったな……」


特別この後急ぎの用事はなかったので、先輩たちと話が盛り上がってしまっていた。

先輩たちは店長と一緒に飲みに行くみたいで、まだ店長が仕事終わるのを待つため、控室に残っている。
あたしも誘われたが、明の家に行く約束をしているので、それはお断りした。


お店を出ようとしたときだった。

後ろから、ガチャッと扉が開く音。
あたしは反射的に、後ろへ振り返った。


「………あ…」

「……」


そこから出てきたのは、城崎さんだった……。