その日、あたしと城崎さんは一言も話すことはなかった。

アルバイトのあたしと、サブマネージャーの役職をもつ人が、仕事について話すこともない。
あたしの構えはむなしく、あっという間に店を閉める時間となった。


帰りのミーティング。
いつも通り、店長から一言あって、最後までシフトが入ってる人は話を聞いていく。

その間、あたしはずっと城崎さんを見ていた。

ほとんど無意識だったと思う。
だけどその時、城崎さんがこっちを向いた。


「…っ」


だけどすぐに目をそらされ、持っている書類に目を戻す。

なんだか自分が、ものすごくバカみたいに思えてきた。