「……」 相変わらず、振り返ることもしない城崎さん。 あたしはこれ以上、ここにいる理由も見つからず、事務室を出た。 大人の対応…。 言うなれば、そうだ。 たとえあんなことがあっても、仕事中は一切顔に出さない。 いや…… そうじゃない。 割り切り。 きっとこっちだ。 あの日の出来事は、お互いに何もなかったことにしようという、割り切った一夜だ。